お金の寺子屋

FP2級実技(FP協会)解説-2024年1月・解説のみ(前半)

【問1】
正解:×、○、○、×
(ア) 司法書士や弁護士の資格を有しない人が、不動産の登記申請を代行してはいけません。
(イ) 一般的な相続税の計算方法の説明や、仮定の事例に基づく相続税の計算手順についての解説は、一般的な説明ですから、誰でもすることができます。
(ウ) 一般的な社会保障制度に関する説明は、誰でもすることができます。また、年金相談も、誰でもすることができます。
(エ) 保険の募集・勧誘は、金融サービス仲介業または生命保険募集人、保険仲立人の登録を受けている者でなければすることができません。
【問2】
正解:
(ア) 正しい記述です。
(イ) 正しい記述です。金融サービス提供法により、金融商品販売業者等は、金融商品の販売を行う際、顧客に対して元本が欠損する可能性があること等の重要事項を説明する義務が課されており、金融商品販売業者等が重要事項の説明義務を怠ったことにより顧客に損害が生じた場合、金融商品販売業者等が損害賠償責任を負います。
なお、この損害賠償責任は、金融商品販売業者等の無過失責任とされています(説明義務を怠ったことについて故意・過失がなくても、責任を負います)。
(ウ) 正しい記述です。金融サービス提供法の適用対象は、預貯金、債券、株式のほか、デリバティブ取引や外国為替証拠金取引(FX)を含みます。
なお、商品先物取引は適用対象外とされています。
(エ) 金融サービス提供法による保護の対象には、個人だけでなく事業者も含まれます。
なお、消費者契約法による保護の対象は個人に限られ、原則として、事業者は保護の対象となりません。
【問3】
正解:2、5、7、10
(ア) GDPには、物価の変動による影響を加味しない名目GDPと、物価の変動による影響を取り除いた実質GDPがあります。
(イ) マネーストック統計の公表機関は、日本銀行です。
(ウ) 全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、四半期ごとに調査・公表されます。
(エ) (景気の現状把握及び将来予測を行うため)生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標は、景気動向指数です。
【問4】
正解:×、○、○、×
(ア) NISA口座で保有している金融商品に係る譲渡損失は、損益通算の対象外です。
(イ) 正しい記述です。旧NISAは2023年までで、2024年から新NISAに移行したため、旧NISAで保有している銘柄は、非課税期間の満了時にロールオーバーすることができなくなりました。
(ウ) 正しい記述です。なお、つみたて投資枠には限度額が無いため、つみたて投資枠で1,800万円投資することも可能です。
(エ) 新NISAのつみたて投資枠の投資対象商品は、つみたてNISAの投資対象商品と同じですが、新NISAの成長投資枠の投資対象商品は、一般NISAの投資対象商品よりも範囲が狭いです(一定条件に該当する商品が除外されました)。
【問5】
正解:0.989
所有期間利回り(%)={0.8+(98.85-98)÷5}÷98×100=0.98979%…≒0.989%(小数点以下第4位切り捨て)です。

【問6】
正解:○、×、○
(ア) 正しい記述です。購入時手数料は、購入価額に3.3%(税抜3.0%)を乗じた額ですから、税込みで、10万円×3.3%=3,300円です。
(イ) 運用管理費用(信託報酬)は、毎日信託財産から控除され、基準価額に影響を及ぼします。
(ウ) 正しい記述です。例えば、<資料>の投資信託の外国証券の保管等に要する費用等は、外国証券に投資しない投資信託であればかかりません。
【問7】
正解:210(㎡)
道路の反対側が宅地で、敷地が面している道路の幅員が4mに満たない場合、道路の中心線から2m後退した線が、道路と敷地の境界線とされます。
よって、道路と敷地の境界線は、18m-3m÷2=0.5m後退した線となり、建築基準法上の敷地面積は、20m×(18m-0.5m)=350㎡となります。
よって、建築面積の最高限度は、350㎡×60%=210㎡となります。
【問8】
正解:
支出のうち、借入金の元本返済額は必要経費となりませんが、これ以外は全て必要経費となります。
よって、不動産所得の額=1,260,000円-(230,000円+18,000円+63,000円+7,000円+125,000円+38,500円+246,000円)=532,500円となります。
【問9】
正解:
(ア) 譲渡所得の額=8,300万円-4,800万円-290万円-3,000万円=210万円です。
(イ) 不動産の譲渡に係る譲渡所得は、売却日が属する年の1月1日時点の所有期間が5年を超えるか否かで、長期と短期に区別されます。
本問では、2019年2月5日から2024年1月1日までの期間が5年以下であるため、課税短期譲渡所得として扱われます。
【問10】
正解:×、×、○、○
(ア) 不動産広告における「徒歩1分」は、「0~80m」を意味しますから、徒歩9分は、640m~720mを意味します。
(イ) マンションの面積は、不動産広告には壁芯面積で表示され、登記簿上は内法面積で表示されます。
(ウ) バルコニーは共用部分として扱われます。
(エ) 取引形態が「売主」となっている(売主である不動産会社が直接取引を行う取引形態であり、仲介業者を挟まない)ため、この物件を購入する場合、仲介手数料はかかりません。
なお、「代理」となっている場合も買主には仲介手数料はかかりませんが、「媒介」となっている場合には仲介手数料がかかります。

【問11】
正解:22(万円)、72(万円)、30(万円)
(ア) 総合入院給付金20万円+手術給付金2万円=22万円です。
(イ) 軽度3大疾病保険金50万円+総合入院給付金20万円+手術給付金2万円=72万円です。
(ウ) 就業不能給付金30万円のみ支払われます。
【問12】
正解:
(ア) 少額短期保険業者が、1人の被保険者について引き受ける死亡保険金額、および、疾病を原因とする重度障害保険の保険金額の上限は、それぞれ300万円です。
(イ) 少額短期保険の保険期間の上限は、生命保険と医療保険では1年とされています。
(ウ) 少額短期保険の保険期間の上限は、損害保険では2年とされています。
(エ) 少額短期保険の保険料は、生命保険料控除・地震保険料控除の対象となりません。
【問13】
正解:×、○、○、×
(ア) 運転者家族限定割引が適用されているため、本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子以外の人が起こした事故は補償しません。
(イ) 正しい記述です。飛び石による窓ガラスの破損で車両保険の保険金を受け取った場合、ノンフリート等級が1等級下がります。
(ウ) 正しい記述です。人身傷害補償保険は、運転中の事故による被保険者のケガを、その過失割合に関係なく補償します。
(エ) 資料より、ファミリーバイク特約が付帯されており、対人事故を補償の対象としていることが分かります。
ちなみに、ファミリーバイク特約には、年齢条件や運転者を限定する特約が適用されません。
【問14】
正解:
終身保険の保険料は、旧契約の一般の生命保険料控除に区分されるため、50,000円の控除を受けることができます。
終身医療保険の保険料は、新契約の介護医療保険料控除に区分されるため、75,120円×1/4+20,000円=38,780円の控除を受けることができます。
よって、生命保険料控除の額は、50,000円+38,780円=88,780円となります。
【問15】
正解:
老齢基礎年金に係る雑所得の額は、収入金額が公的年金等控除額(最低110万円)以下ですから、0です。
遺族厚生年金は非課税です。
生命保険の満期保険金は一時所得に区分され、その所得の額は、収入金額-収入を得る為の支出額-特別控除額=250万円-160万円-50万円=40万円となります。
一時所得の額は、その2分の1相当額が総所得金額に算入されますから、総所得金額への算入額は、40万円×1/2=20万円となります。
よって、総所得金額は、20万円となります。

【問16】
正解:75(万円)
建物の減価償却費は、定額法により計算しますから、1年間の減価償却費は、7,500万円×0.04=300万円です。
また、減価償却費として必要経費に計上できるのは、業務の用に供した期間分ですから、必要経費に算入すべき減価償却費の額は、300万円×3/12=75万円となります。
【問17】
正解:×、×、×、×
(ア) 退職所得控除額の計算に当たり、勤続年数に1年未満の端数がある場合、その端数は切り上げて勤続年数を計算します。
(イ) 勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で計算されます。
(ウ) 短期退職手当等に該当する場合、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額のうち300万円を超える部分については、2分の1計算の適用はありません。
(エ) 退職一時金を受け取った場合、通常、「退職所得の受給に関する申告書」を提出するため、確定申告は不要です。
【問18】
正解:1、4、6
(ア) 放棄をした人の子は代襲相続人になれませんから、孫Aと孫Bの法定相続分はありません。
(イ) 相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分の割合は、法定相続分の1/2です。
法定相続人の組み合わせが、配偶者相続人と第1順位の血族相続人である場合、配偶者の法定相続分は1/2ですから、配偶者の遺留分は、1/2×1/2=1/4となります。
(ウ) 相続人の組み合わせが、配偶者相続人と第1順位の血族相続人である場合、血族相続人全体の法定相続分は1/2です。
孫Cの法定相続分は二男の本来の法定相続分と等しいため、孫C(と三男)の法定相続分は、1/2×1/2=1/4となることから、孫Cの遺留分は、1/4×1/2=1/8となります。
【問19】
正解:
路線価図の数字は、その路線が面する土地の1㎡当たりの相続税評価額を千円単位で表しており、英字のDは借地権割合が60%であることを意味します。
また、貸家建付地の相続税評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)です。
路線価方式による自用地評価額は、路線価×各種補正率×地積=290千円/㎡×1.00×308㎡となることから、貸家建付地の相続税評価額=290,000円×1.00×308×(1-60%×30%×100%)となります。
【問20】
正解:

相続人が受け取った、相続税の課税対象となる死亡保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税となります。
よって、死亡保険金1,800万円のうち、相続税の課税価格に算入される額は、1,800万円-500万円×3=300万円です。
したがって、相続税の課税価格の合計額は、1,400万円+1,000万円+3,200万円+300万円-1,200万円=4,700万円となります。

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