お金の寺子屋

計算問題(FP2) 損益通算と総所得金額

【問1】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
会社員である東条さんの2022年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、東条さんの2022年分の所得税の計算における総所得金額はいくらか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。

所得の種類 所得金額 備考
給与所得 660万円 勤務先からの給与で年末調整済み
不動産所得 ▲150万円 土地の取得に要した借入金の利子の額20万円が含まれている。
譲渡所得 ▲80万円 上場株式の売却に係る損失
一時所得 ▲30万円 中途解約した生命保険に係る損失
雑所得 ▲10万円 趣味で行っている執筆活動に係る損失
正解:530万円
給与所得は全額総所得金額に算入されます。
不動産所得の損失は、150万円のうち土地取得の為の借入金の利子相当額20万円を除いた130万円が損益通算の対象となります。
上場株式に係る譲渡損失は、上場株式等に係る譲渡益や、申告分離課税された配当所得・利子所得以外と損益通算する事はできません(総所得金額の計算上は損益通算の対象外です)。
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得以外の所得に係る損失は、損益通算の対象外です。
よって、総所得金額=660万円-130万円=530万円となります。

【問2】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
東条さん(67歳)の2022年分の収入等は下記のとおりである。東条さんの2022年分の所得税における総所得金額を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<収入>
内容 金額
駐車場収入 138万円
老齢基礎年金 75万円
老齢厚生年金 95万円
生命保険の満期保険金 520万円
駐車場収入を得るための必要経費(青色申告特別控除を除く)は年間30万円である。
東条さんは、駐車場収入について青色申告者をしており、帳簿書類の備付け等により、10万円の青色申告特別控除の適用を受けるための要件を満たしている。なお、この駐車場経営は、事業的規模には該当しない。
年金収入は公的年金等控除額を控除する前の金額である。
生命保険は保険期間10年の養老保険(保険契約者と満期保険金受取人は東条さん)であり、既払込保険料(東条さんが全額負担している)は440万円である。なお、契約者配当については考慮しないこととする。
<65歳以上の者の公的年金等控除額の速算表>
収入金額 公的年金等控除額
330万円未満 110万円
330万円以上
410万円未満
A×25%+27.5万円
410万円以上
770万円未満
A×15%+68.5万円
770万円以上
1,000万円未満
A×5%+145.5万円
1,000万円以上 A×5%+145.5万円
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合
正解:173万円
駐車場収入に係る不動産所得は、収入金額-必要経費-青色申告特別控除額=138万円-30万円-10=98万円です。
老齢基礎年金と老齢厚生年金はどちらも公的年金等に係る雑所得に区分されますから、これらに係る所得の額は、(75+95)万円-110万円=60万円となります。
保険期間が5年を超える養老保険の満期保険金は一時所得に区分されますから、これに係る所得の額は、520万円-440万円-50万円(特別控除額)=30万円となります。
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得以外の所得に係る損失は、損益通算の対象外です。
以上より、不動産所得と雑所得は全額総所得金額に算入され、一時所得はその2分の1相当額が総所得金額に算入されることから、総所得金額=98万円+60万円+30万円×1/2=173万円となります。

スポンサーリンク




スポンサーリンク



<戻る 一覧へ 進む>

LINEで送る
Pocket

コメントは受け付けていません。