お金の寺子屋

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FP2級実技(個人)解説-2018年5月・問10~15

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

 Aさん(59歳)は、妻Bさん(57歳)と2人で都心に近い賃貸マンションに住んでいる。Aさんは、平成30年6月に勤務先を定年退職する予定であり、その退職金を利用して、かねてより同居を希望していた長男夫婦(社宅住まい)と暮らすための戸建て住宅を新築しようと考えている。新築する住宅の敷地は、父から相続により取得し、10年前から青空駐車場として賃貸していた甲土地を利用する予定である。甲土地に関する資料は、以下のとおりである。

<甲土地の概要>
甲土地は、建ぺい率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
指定建ぺい率および指定容積率は、それぞれ都市計画において定められた数値である。
当該区域は、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域には該当しない。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
Aさんが、甲土地上に住宅を新築する場合における建築基準法上の規制に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

1. 甲土地が所在する第一種住居地域内においては、都市計画により、10mまたは12mの絶対高さ制限が適用される。
2. 甲土地が所在する第一種住居地域は、地方公共団体の条例により日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができる。
3. 甲土地上に住宅を新築する場合、原則として耐火建築物または準耐火建築物としなければならない。
正解:×、○、×
1. 絶対高さ制限が適用されるのは、第一種低層住居専用地域と、第二種低層住居専用地域だけです。
2. 原則として、商業地域・工業地域・工業専用地域以外は、日影規制の対象区域として指定する事ができます。
3. 準防火地域内では、3階以上または延床面積が500㎡を超える建築物を建てようとする場合のみ、準耐火建築物または耐火建築物としなくてはいけません。
【問11】
Aさんが、甲土地上に住宅を新築する場合、建ぺい率の上限となる建築面積と容積率の上限となる延べ面積を求める次の〈計算の手順〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<計算の手順>

1. 建ぺい率の上限となる建築面積
□□□㎡×( ① )%=( ② )㎡
2. 容積率の上限となる延べ面積
(1)容積率の判定
指定容積率:200%
前面道路幅員による容積率の制限:□□□%
したがって、上限となる容積率は、( ③ )%である。
(2)容積率の上限となる延べ面積
□□□㎡×( ③ )%=( ④ )㎡
正解:70、168、200、480
特定行政庁が指定する角地では、建ぺい率の制限10%緩和されますから、60%+10%=70%です。
15㎡×16㎡×70%=168㎡です。
前面道路の幅員が12mに満たない場合、指定容積率か前面道路幅員による容積率の制限の、どちらか低い方になります。
前面道路幅員による容積率の制限=前面道路の幅員×法定乗数であり、容積率の計算上、敷地が複数の道路に接している場合、前面道路は幅員が大きい方としますから、前面道路幅員による容積率の制限=6×4/10=240%です。
したがって、上限となる容積率は、指定容積率の200%です。
15㎡×16㎡×200%=480㎡です。
【問12】
Aさんが、甲土地上に住宅(認定長期優良住宅には該当しない)を新築した場合の税金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

1. 「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の適用を受けた場合、当該敷地(240㎡)に係る固定資産税の課税標準は、当該敷地の全部について課税標準となるべき価格の6分の1の額となる。
2. 「不動産取得税の課税標準の特例」の適用を受けた場合、不動産取得税の課税標準の算定上、住宅の課税標準から最大で1,000万円までを控除することができる。
3. 床面積270㎡の住宅を新築し、所有権の保存登記を新築後1年以内に受けた場合、この登記に係る登録免許税の税率について「住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減」の適用を受けることができる。
正解:×、×、○
1. 固定資産税の計算上、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の適用を受けた場合、課税標準が6分の1となるのは、200㎡までです(200㎡を超える部分の課税標準は、3分の1になります)。
2. 「不動産取得税の課税標準の特例」の適用を受けた場合、不動産取得税の課税標準の算定上、住宅の課税標準から控除することができる金額は、最大で1,300万円です。
3. 正しい記述です。所有権保存登記の登録免許税について、「住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減」の適用を受けるためには、自己居住用の住宅で、床面積が50㎡以上の家屋について、新築又は取得後1年以内に登記する事が要件とされています。

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【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
 Aさん(75歳)は、昨年病気で入院したのを機に自身の相続について考えるようになり、公正証書遺言の作成を検討している。Aさんには、妻Bさん(72歳)との間に長女Cさん(50歳)および二女Dさん(48歳)の2人の実子がいるが、長女Cさんの子Fさん(18歳)と、二女Dさんの子Gさん(20歳)とそれぞれ養子縁組を行っている。
 Aさんは、平成28年に二女Dさんに住宅取得の資金として現金500万円の贈与を行っており、二女Dさんは、その全額について、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の適用を受けた。
 Aさんの親族関係図および主な財産の状況等は、以下のとおりである。

<Aさんの親族関係図>
<Aさんの主な財産の状況(相続税評価額)>

預貯金:1億5,000万円
有価証券(上場株式):5,000万円
自宅の敷地(400㎡):1億円(*)
自宅の家屋:2,500万円

「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前
<Aさんが加入している生命保険に関する資料>

保険の種類:終身保険
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
死亡保険金額:3,000万円

上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
公正証書遺言に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

1. Aさんが公正証書遺言を作成する場合、長女Cさんの配偶者Hさんは、遺言書により財産を取得する受遺者でない限り、公正証書遺言を作成する際の証人となることができる。
2. 公正証書遺言は、遺言者が自ら書いた遺言書の内容および形式の適法性を公証人および証人が確認し、承認する方式で作成される。
3. Aさんが公正証書遺言を作成した後に、その遺言の内容を撤回したい場合、自筆証書遺言では撤回することができない。
正解:×、×、×
1. 4親等内の親族は、公正証書遺言の証人になる事はできません。
2. 公正証書遺言は、遺言者が遺言書の内容を後述し、それを公証人が書面に落とし込んで作成されます。
3. 遺言は、新しいものが有効になりますから、先に書いた公正証書遺言の内容を、後から書いた自筆証書遺言で取り消す事ができます。
【問14】
仮に、Aさんの相続が現時点(平成30年5月27日)で開始した場合の相続税に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、下記の<語句群>のイ~ヲのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

妻BさんがAさんの相続により財産を取得した場合、妻Bさんが受け取る死亡保険金のうち、相続税の課税価格に算入される金額は、( ① )万円である。
妻Bさんが自宅の敷地のすべてを相続により取得し、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用をその限度額まで受けた場合、自宅の敷地についてAさんに係る相続における相続税の課税価格に算入すべき価額は、( ② )万円である。
二女DさんがAさんの相続により財産を取得した場合、二女Dさんが平成28年にAさんから住宅取得の資金として贈与を受けた現金500万円は、相続税の課税価格に( ③ )。
<語句群>
イ.500 ロ.1,000 ハ.1,500 ニ.2,000 
ホ.2,500 ヘ.3,400 ト.4,800 
チ.5,200 リ.6,600 ヌ.8,000 
ル.加算される ヲ.加算されない
正解:ロ、へ、ヲ
相続税の課税対象となる死亡保険金は、500万円×法定相続人の数だけは課税価格に算入されません。法定相続人の数は、実子が居る場合、養子は1人までしか法定相続人の数に含める事ができませんから、4人となります。
したがって、相続税の課税価格に算入される金額は、3,000万円-500万円×4=1,000万円です。
特定居住用宅地等として、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、330㎡までの部分について、80%減額評価されます。
したがって、自宅の敷地に ついてAさんに係る相続における相続税の課税価格に算入すべき価額は、1億円-(1億円×330㎡/400㎡×80%)=3,400万円です。
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の適用を受けた贈与財産は、生前贈与加算の対象外です。
【問15】
仮に、Aさんの相続が現時点(平成30年5月27日)で開始し、Aさんの相続における課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が2億4,000万円であった場合の相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。〈答〉は万円単位とすること。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

(a)課税価格の合計額 □□□万円 
(b)遺産に係る基礎控除額 ( ① )万円
課税遺産総額(a-b) 2億4,000万円
相続税の総額の基となる税額
妻Bさん ( ② )万円
長女Cさん ( ③ )万円
(c)相続税の総額 ( ④ )万円
<資料>相続税の速算表(一部抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
正解:5,400、3,100、600、4,900
遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数ですから、法定相続人の数は4人より(問14①参照)、3,000万円+600万円×4=5,400万円です。
相続税の総額の基となる税額を計算する際には、課税遺産総額を法定相続分に応じて按分したと仮定して計算しますから、妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、2億4,000万円×1/2=1億2,000万円です。
よって、妻Bさんの相続税の総額の基となる税額は、1億2,000万円×40%-1,700万円=3,100万円です。
長女Cさんの法定相続分に応ずる取得金額は、2億4,000万円×1/6=4,000万円です。
よって、長女Cさんの相続税の総額の基となる税額は、4,000万円×20%-200万円=600万円です。
次女Dさんと、養子1人の相続税の総額の基となる税額は、③と同様に計算して、それぞれ600万円です。
したがって、相続税の総額=3,100万円+600万円×3=4,900万円です。
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