お金の寺子屋

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FP2級実技(個人)解説-2018年1月・問10~15

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
 会社員のAさん(62歳)は、現在、都心近郊の分譲マンションに妻と2人で暮らしている。平成29年2月にAさんの父親が死亡し、Aさんは父親の自宅およびその敷地(甲土地)と賃貸アパートおよびその敷地(乙土地)を相続により取得した。Aさんは、自宅および賃貸アパートが、ともに建物の老朽化が進んでいるため、すべてを取り壊して、甲土地と乙土地を一体とした土地上に、賃貸アパートの建替えを検討している。
 Aさんが相続した甲土地および乙土地に関する資料は、以下のとおりである。

<甲土地の概要>

[甲土地]
用途地域:第一種住居地域
指定建ぺい率:60%
指定容積率:200%
前面道路幅員による容積率の制限:前面道路幅員×4/10
防火規制:準防火地域

[乙土地]
用途地域:近隣商業地域
指定建ぺい率:80%
指定容積率:300%
前面道路幅員による容積率の制限:6/10
防火規制:防火地域

乙土地、および甲土地と乙土地の一体地は、ともに建ぺい率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
指定建ぺい率および指定容積率は、それぞれ都市計画において定められた数値である。
当該区域は、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域には該当しない。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
甲土地と乙土地を一体とした土地上に賃貸アパートを建築する場合の建築基準法上の規制に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、下記の<語句群>のイ~ヲのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

甲土地と乙土地を一体とした土地上に建築物を建築する場合、建築物の用途制限については、甲土地と乙土地を一体とした土地の全部について、( ① )地域の建築物の用途に関する規定が適用される。
防火地域内においては、原則として、地階を含む階数が3以上または延べ面積が( ② )㎡を超える建築物は耐火建築物としなければならないとされている。
建て替える賃貸アパートが耐火建築物である場合、当該建築物の最大建築面積は( ③ )㎡となる。
<語句群>
イ.第一種住居 ロ.近隣商業 
ハ.準住居 ニ.100 ホ.232 
へ.233 
ト.247 チ.248 リ.262 
ヌ.500 ル.1,000 ヲ.1,500
正解:ロ、ニ、リ
敷地が2つの用途地域にまたがる場合、敷地全体について、面積の大きい方の用途地域の制限が適用されます。
防火地域内においては、原則として、地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物は、耐火建築物としなければならない事とされています。
敷地が防火地域と準防火地域にまたがる場合、敷地全体について防火地域の規制が適用されます。防火地域内に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率の上限が10%緩和され、さらに、特定行政庁が指定する角地は建ぺい率の上限が10%緩和されますから、甲土地の建ぺい率の上限は80%となります。また、乙土地は、防火地域かつ建ぺい率が80%の地域ですから、耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の上限は100%となります。
したがって、当該敷地の最大建築面積は、140㎡×80%+150㎡×100%=262㎡となります。
【問11】
Aさんが、甲土地と乙土地を一体とした土地上に賃貸アパートを建築する場合の税金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

1. Aさんが建築する賃貸アパートについて、「不動産取得税の課税標準の特例」の適用を受けるためには、建築する賃貸アパートの独立的に区画された1室ごとの床面積が50㎡以上240㎡以下でなければならない。
2. Aさんが相続により取得した甲土地および乙土地に対しては、その取得した敷地の価格の2分の1を課税標準額とし、これに3%を乗じた金額が不動産取得税として課税される。
3. Aさんが相続により取得した甲土地および乙土地の所有権移転登記や新築した賃貸アパートの所有権保存登記を行う場合に課される登録免許税の税額を算出する際の税率は、いずれも固定資産税評価額の1,000分の4である。
正解:×、×、○
1. 「不動産取得税の課税標準の特例」の適用を受けるためには、基本的に、床面積が50㎡以上240㎡以下である事とされていますが、貸家の場合は、40㎡以上である事とされています。
2. 相続により不動産を取得した場合、不動産取得税は課されません。
3. 正しい記述です。賃貸アパートは、軽減税率の適用対象外ですから、本則税率が適用されます。
【問12】
Aさんが、甲土地と乙土地を一体とした土地上に耐火建築物を建築する場合、容積率の上限となる延べ面積を求める下記の〈計算の手順〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<計算の手順>

1.容積率の判定

(1)甲土地部分
指定容積率:200%
前面道路幅員による容積率の制限:□□□%
したがって、甲土地部分において上限となる容積率は( ① )%である。
(2)乙土地部分
指定容積率:300%
前面道路幅員による容積率の制限:□□□%
したがって、甲土地部分において上限となる容積率は( ② )%である。

2.容積率の上限となる延べ面積

(1)甲土地部分
140㎡×( ① )%=□□□㎡
(2)乙土地部分
150㎡×( ② )%=( ③ )㎡

したがって、□□□㎡+( ③ )㎡=( ④ )㎡である。

正解:200(%)、300(%)、
450(㎡)、730(㎡)
前面道路の幅員は6mですから、前面道路幅員による容積率の制限(前面道路の幅員×法定乗数)=6×4/10=240%です。
容積率の上限は、指定容積率か前面道路幅員による容積率の制限のどちらか小さい方を適用しますから、指定容積率の200%が適用されます。
前面道路幅員による容積率の制限=6×6/10=360%より、指定容積率の300%が適用されます。
②より、150㎡×300%=450㎡です。
①より、甲土地部分の延床面積の上限=140㎡×200%=280㎡です。
したがって、③より、450㎡+280㎡=730㎡です。

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【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
 Aさん(73歳)は、妻Bさん(69歳)との2人暮らしである。Aさんには、妻Bさんとの間に、長男Cさん(38歳)および二男Dさん(36歳)の2人の子がいる。Aさんは、将来の相続のことを考えて、平成29年に、長男Cさんに対して、賃貸マンションの建物を贈与した。なお、将来の相続時点における税制およびAさんの財産の状況は、現在のまま変わらないものとする。
 Aさんの親族関係図、財産および長男Cさんへの贈与に関する資料は、以下のとおりである。

<Aさんの親族関係図>
<Aさんの財産の状況(相続税評価額)>

預貯金:2億4,000万円
有価証券:6,000万円
自宅の敷地:3,200万円(*)
自宅の建物:2,000万円
賃貸マンションの敷地:1億円

「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の金額である。
<Aさんが行った贈与の内容>
長男Cさんに対して、平成29年に築30年の賃貸マンションの建物(贈与時点の相続税評価額は3,000万円)を贈与し、長男Cさんは、この贈与について相続時精算課税制度の適用を受けようとしている。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
Aさんからの贈与について、長男Cさんが相続時精算課税制度の適用を受けることに関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

1. 長男Cさんが相続時精算課税制度の適用を受けるためには、贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期限内に一定の必要事項を記載した相続時精算課税選択届出書を贈与税の申告書に添付して、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2. 長男Cさんが平成29年の賃貸マンションの建物の贈与について相続時精算課税制度の適用を受けた場合、同年以後に行われるAさんからの贈与については、暦年課税を選択することができなくなる。
3. 長男Cさんが平成29年の賃貸マンションの建物の贈与について相続時精算課税制度の適用を受けた場合、同年以後に行われる母親であるBさんからの贈与については、暦年課税を選択することができなくなる。
正解:○、○、×
1. 正しい記述です。、贈与を受けた財産に係 る贈与税の申告期限内に手続きを行わなくてはいけません。
2. 正しい記述です。一旦、相続時精算課税制度を選択すると、暦年贈与に戻す事はできません。
3. 相続時精算課税制度は、贈与者ごとに適用するか否かを選ぶものですから、父からの贈与について相続時精算課税制度の適用を受けても、母からの贈与は暦年課税とする事ができます。
【問14】
Aさんからの賃貸マンションの建物の贈与について、長男Cさんが相続時精算課税制度の適用を受けた場合の贈与税額を求める次の〈計算式〉の空欄①~③に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、長男Cさんは、Aさんからの贈与について、これまで相続時精算課税制度の適用を受けたことはない。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<計算式>

3,000万円-( ① )万円=□□□万円
□□□万円×( ② )%=( ③ )万円
正解:2,500(万円)、20(%)、
100(万円)
相続時精算課税制度の特別控除額は、2,500万円です。
相続時精算課税制度の適用を受けた場合、贈与税の税率は一律20%となります。
(3,000万円-2,500万円)×20%=100万円です。
【問15】
仮に長男Cさんが相続時精算課税制度の適用を受けた後に、Aさんに相続が開始した場合の相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、Aさんから贈与を受けた賃貸マンションの建物の贈与時点の相続税評価額は3,000万円で、相続開始時点の相続税評価額は2,900万円である。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

(a)課税価格の合計額 □□□万円 
(b)遺産に係る基礎控除額 ( ① )万円
課税遺産総額(a-b) □□□円
相続税の総額の基となる税額
妻Bさん □□□万円
二男Cさん ( ③ )万円
(c)相続税の総額 ( ④ )万円
<資料>相続税の速算表
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
30,000万円超
60,000万円以下
50% 4,200万円
60,000万円以上 55% 7,200万円
正解:48,200、4,800、2,640、12,345
相続時精算課税制度の適用を受けた財産は、贈与時の相続税評価額が相続税の課税価格に算入されますから、2億4,000万円+6,000万円+3,200万円+2,000万円 +1億円+3,000万円=4億8,200万円です。
相続税の基礎控除額=3,000万円×500万円×法定相続人の数です。
法定相続人の数は3人ですから、3,000万円×500万円×3=4,800万円となります。
①、②より、課税遺産総額=4億3,400万円です。
相続税の総額の基となる税額を計算する際には、課税遺産総額を法定相続分に応じて按分したと仮定して計算しますから、次男Dさんの法定相続分に応ずる取得金額は、4億3,400万円×1/4=1億850万円です。
よって、次男Dさんの相続税の総額の基となる税額は、1億850万円×40%-1,700万円=2,640万円です。
妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、4億3,400万円×1/2=2億1,700万円です。
よって、妻Bさんの相続税の総額の基となる税額は、2億1,700万円×45%-2,700万円=7,065万円です。
また、長男Cさんの相続税の総額の基となる税額は、次男Dさんと同じですから、2,640万円となります。
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