お金の寺子屋

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FP2級実技(保険)解説-2018年1月・問10~15

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

会社員のAさんは、妻Bさん、長女Cさんおよび二女Dさんとの4人家族である。Aさんは、平成29年中に妻Bさんの入院・手術費用として医療費40万円を支払ったため、医療費控除の適用を受けようと思っている。
Aさんとその家族に関する資料および平成29年分の収入等に関する資料は、以下のとおりである。

<Aさんとその家族に関する資料>

[Aさん(55歳)]
会社員

[妻Bさん(50歳)]
専業主婦。平成29年中の収入はない。

[長女Cさん(24歳)]
アルバイト。平成29年分の給与収入は140万円である。

[二女さんD(20歳)]
大学生。平成29年中の収入はない。

<Aさんの平成29年分の収入等に関する資料>

[給与収入の金額]
1,100万円

[一時払養老保険(10年満期)の満期保険金]
契約年月:平成19年6月
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
満期保険金受取人:Aさん
満期保険金額:550万円
一時払保険料:500万円

[一時払変額個人年金保険(確定年金)の解約返戻金]
契約年月:平成21年6月
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
解約返戻金額:1,300万円
一時払保険料:1,000万円

妻Bさん、長女Cさんおよび二女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
Aさんとその家族の年齢は、いずれも平成29年12月31日現在のものである。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
所得税における所得控除に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ルのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

「 所得控除のうち、( ① )、医療費控除および寄附金控除については、年末調整では適用を受けることができないため、これらの控除の適用を受けるためには所得税の確定申告が必要となります。
Aさんの平成29年分の医療費控除額を求める計算式は、下記の算式のとおりとなります。医療費控除は、総所得金額等の合計額が200万円以上である者の場合、その年中に支払った医療費の総額が( ② )万円を超えていなければ、適用を受けることはできません」

<従来の医療費控除額の算式>

「平成28年度税制改正により、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が創設されています。定期健康診断や予防接種などの一定の取組みを行っている者が自己または自己と生計を一にする配偶者等のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合、その額が12,000円を超えるときは、その超える部分の金額を総所得金額等から控除することができます。本税制に係る控除額は( ③ )円が上限となります。なお、本税制は、従来の医療費控除と( ④ )」

<従来の医療費控除額の算式>
<語句群>
イ.10 ロ.20 ハ.30 ニ.38,000 
ホ.68,000 へ.88,000 
ト.雑損控除 
チ.小規模企業共済等掛金控除 
リ.住宅借入金等特別控除 
ヌ.の選択適用となります 
ル.併用して適用を受けることができます
正解:ト、イ、ヘ、ヌ
所得控除のうち、寄付金控除、医療費控除、雑損控除を受けるためには、確定申告をしなくてはいけません。
医療費控除の金額は、基本的に、正味負担した医療費から10万円を控除した金額です。
セルフメディケーション税制を利用した場合、医療費控除の上限は、88,000円となります。
セルフメディケーション税制は、従来の医療費控除との選択適用となる制度です。
【問11】
Aさんの平成29年分の所得税の課税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
1. 「一時払養老保険(10年満期)の満期保険金および一時払変額個人年金保険(確定年金)の解約返戻金は、一時所得の収入金額として総合課税の対象となります」
2. 「長女Cさんの合計所得金額は38万円以下となりますので、Aさんは長女Cさんに係る扶養控除の適用を受けることができます」
3. 「確定申告を行う場合、確定申告書を税務署に持参または送付して提出する方法のほかに、e-Taxを利用する方法があります。しかし、医療費控除の適用を受けるためには、原則として確定申告書に医療費等の領収書を添付しなければなりませんので、e-Taxを利用して確定申告をすることはできません」
正解:○、×、×
1. 正しい記述です。
2. 給与収入が140万円である場合、給与所得は38万円を超えますので、扶養控除の対象外となります。
給与収入が103万円を超えると給与所得が38万円を超えるという事を知っていれば、正解を導く事が出来ますし、給与所得控除額は問12の資料にも用意されています。
3. e-Taxを利用して確定申告をする事は可能です。
【問12】
Aさんの平成29年分の所得税の算出税額を計算した下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

給与所得の金額 □□□円
一時所得の金額 □□□円
(a)総所得金額 ( ① )円
医療費控除 □□□円
社会保険料控除 □□□円
生命保険料控除 50,000円
地震保険料控除 20,000円
配偶者控除 380,000円
扶養控除 ( ② )円
基礎控除 380,000円
(b)所得控除の額の合計額 3,200,000円
(c)課税総所得金額((a)-(b)) □□□円
(d)算出税額((c)に対する所得税額) ( ③ )円
<資料>給与所得控除額
給与収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40% 
(最低65万円)
180万円超
360万円以下
収入金額×30%+18万円
360万円超
660万円以下
収入金額×20%+54万円
660万円超
1,000万円以下
収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円
<資料>所得税の速算表
課税総所得金額 税率 控除額
195万円以下 5%
195万円超
330万円以下
10% 97,500円
330万円超
695万円以下
20% 427,500円
695万円超
900万円以下
23% 636,000円
900万円超
1,800万円以下
33% 1,536,000円
1,800万円超
4,000万円以下
40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円
正解:10,030,000、630,000、997,000
給与所得=1,100万円-220万円=880万円です。
一時所得=(550+1,300)万円-(500+1,000)万円-50万円=300万円です。
一時所得の金額は、その半額が総所得金額に含まれますから、総所得金額=880万円+300万円×1/2=1,030万円です。
長女Cさんは扶養控除の対象外(問11②参照)で、二女Dさんは特定扶養親族として扶養控除を受ける事が出来ますから、扶養控除の金額は、63万円です。
①より、課税総所得金額=1,030万円-320万円=710万円ですから、
算出税額=710万円×23%-63.6万円=997,000円となります。

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【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

Aさん(72歳)は、個人で賃貸マンションを保有している。毎年の不動産所得の金額は1,000万円を超えており、年金収入と合わせて生活は安定している。
Aさんは、現在、妻Bさん(70歳)および長男Cさん(43歳)家族と自宅で同居している。長女Dさん(41歳)は、会社員の夫、2人の子と借上げ社宅に住んでいるが、そろそろ住宅を購入したいと考えており、Aさんに対して、住宅取得資金の援助を期待しているようである。Aさんは、住宅取得資金の援助だけではなく、教育資金の贈与等、長女Dさんに対して、できる限りのことをしてやりたいと思っている。
なお、長男Cさんと長女Dさんは、日頃から折り合いが悪く、Aさんの悩みの種である。Aさんは、自身の相続が起こった際に遺産分割で争いが生じるのではないかと不安を感じている。
Aさんの家族構成等は、以下のとおりである。

<Aさんの家族構成(推定相続人)>

[妻Bさん(70歳)]
専業主婦。Aさんと自宅で同居している。

[長男Cさん(43歳)]
公務員。妻と子2人がおり、Aさんと同居している。

[長女さんD(41歳)]
会社員。夫と子2人で借上げ社宅に住んでいる。

<Aさんの所有財産(相続税評価額)>

[現預金]
8,000万円

[上場株式]
1億円

[賃貸マンション]
土地(400㎡):1億2,000万円
建物:8,000万円

[自宅]
土地(330㎡):3,000万円(注)
建物:3,000万円

合計:4億4,000万円

(注) 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の金額
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
現時点(平成30年1月28日)において、Aさんに相続が開始した場合における相続税の総額を試算した下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、相続税の課税価格の合計額は4億4,000万円とし、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

(a)相続税の課税価格の合計額 4億4,000万円
(b)遺産に係る基礎控除額 ( ① )万円
課税遺産総額(a-b) □□□万円
相続税の総額の基となる税額
妻Bさん □□□万円
長男Cさん ( ② )万円
長女Dさん □□□万円
(c)相続税の総額 ( ③ )万円
<資料>相続税の速算表(一部抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
正解:4,800、2,240、10,620
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数であり、法定相続人の数は3人ですから、基礎控除額=3,000万円+600万円×3=4,800万円です。
①より、課税遺産総額は、4億4,000万円-4,800万円=3億9,200万円です。
相続税の総額の基となる税額を計算する際には、課税遺産総額を法定相続分に応じて按分したと仮定して計算しますから、長男Cさんの法定相続分に応ずる取得金額は、3億9,200万円×1/4=9,800万円となります。
よって、長男Cさんの相続税の総額の基となる税額は、9,800万円×30%-700万円=2,240万円です。
妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、3億9,200万円×1/2=1億9,600万円となります。
よって、妻Bさんの相続税の総額の基となる税額は、1億9,600万円×40%-1,700万円=6,140万円です。
また、長女Dさんの相続税の総額の基となる税額は、長男Cさんと同じ2,240万円ですから、相続税の総額=6,140万円+2,240万円×2=1億620万円です。
【問14】
Aさんの相続等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
1. 「長男Cさんと長女Dさんとの間で争いが起こり、相続税の申告期限までに遺産分割協議が調わなかった場合、相続税の申告時において、未分割の財産に対して『配偶者に対する相続税額の軽減』や『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができないというデメリットが生じます」
2. 「遺産分割をめぐる争いを防ぐために、遺言により遺産の分割の方法を指定されることをお勧めします。形式不備による無効や遺言書の紛失等を考えると、公正証書遺言が望ましいと思います。公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成します」
3. 「自宅や賃貸マンション等の相続財産の大半を長男Cさんに相続させた場合、長女Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。代償交付金の準備を目的として、契約者および死亡保険金受取人を長男Cさん、被保険者をAさんとする終身保険に加入することも検討事項の1つとなります。その場合、Aさんが長男Cさんの負担する保険料を暦年課税で贈与するプランも検討できると思います」
正解:○、○、○
1. 正しい記述です。配偶者に対する相続税額の軽減や小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例は、原則として、相続税の申告期限までに遺産分割が行われている事が要件とされています。
2. 正しい記述です。
3. 適切な記述です。
【問15】
生前贈与に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。

「Aさんが生前贈与を実行するにあたっては、長男Cさん、長女Dさんおよび孫(長男・長女の子)に対する暦年贈与、孫への教育資金の贈与、長女Dさんへの住宅取得等資金の贈与が考えられます。暦年贈与の場合、その年分の贈与税の課税価格から基礎控除額として最高( ① )万円を控除することができます」
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用を受けた場合、受贈者1人につき( ② )万円までは贈与税が非課税となります。本制度の非課税拠出額の限度額は、受贈者ごとに( ② )万円となりますが、学習塾などの学校等以外の者に対して直接支払われる金銭については( ③ )万円が限度となります」
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用を受けた場合、所定の非課税限度額までの金額が非課税となります。住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日が平成30年中の場合、その非課税限度額は省エネ等住宅で( ④ )万円、一般住宅で700万円となります」
正解:110、1,500、500、1,200
贈与税の暦年課税の基礎控除額は、受贈者1人あたり110万円です。
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の非課税枠は、1,500万円です。
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の非課税枠のうち、学校等以外の者に対して直接支払われる金銭は、最高500万円までとされています。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の非課税限度額は、住宅用家屋の取 得等に係る契約の締結時期と住宅の種類によって異なります。
締結日が平成30年中で、住宅が省エネ等住宅である場合、非課税限度額は1,200万円となります。
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